秋 の ム シ ク イ は 難 し い
渡りの時期、さえずらないムシクイ類は、上面の緑色味が強い、頭央線でセンダイムシクイかメボソムシクイかを識別
が、頭央はなかなか見えず、ついつい上面の緑色味でセンダイムシクイと決め付けていたが、バンディングによるとセンダイムシクイの秋の渡りは早く、ピークは8月下〜9月上で、9月下旬にはほぼいなくなるという情報を小耳に挟みました
以下に見聞きした情報をまとめてみました
鳥のおもしろ私生活(主婦と生活社)に「10月にムシクイを見かけたら、ほとんどがメボソムシクイととみて良い」とも書いてあるとか
【 特 徴 】
識別に使えそうにない特徴
・上面、下面の緑色味(一般的なセンダイムシクイかの識別点)
秋の渡りに観察されるメボソムシクイは、初夏よりも緑色が濃い(換羽後の個体?)
識別に使えるかもしれない特徴
・眉斑の明瞭さ(pure white:純白)
・大雨覆先端の白斑
が、成鳥は摩耗して見えない場合がある(特に成鳥)
・頭央線
・地鳴き
センダイムシクイ:フィッ(やわらかめ)
メボソムシクイ :ディッ or ジッ
エゾムシクイ :ピッ ピッ(きつめ)
オオムシクイ :ジッ ジッ
・嘴
センダイムシクイ:下嘴がほとんど黄色
メボソムシクイ :先端がやや黒っぽい以外は黄色味が強い
エゾムシクイ :下嘴はだいぶ黒ずんでいる
・渡る時期
センダイムシクイ:7月下旬〜9月上旬(8月下旬がピーク)
メボソムシクイ :7月下旬〜9月下旬(8月下旬がピーク)
エゾムシクイ :8月中旬〜11月上旬(10月上旬がピーク)
オオムシクイ :8月中旬〜10月上旬(たぶん10月上旬がピーク)
まとめると第1ポイント:頭央斑、第2ポイント:地鳴き、第3ポイント:大雨覆先端の白斑、最後のポイント:嘴かな
【 図 鑑 】
フィードガイド 日本の野鳥(日本野鳥の会 )
センダイムシクイ:
体の上面はオリーブ緑色、白い眉斑の上は暗色、灰褐色の頭央線
大雨覆先端はわずかに白い、下面は汚白色で脇は緑褐色を帯びる
地鳴きは、フィッフィッ
メボソムシクイ:
体の上面はオリーブ色、白い眉斑、中雨覆の先にわずか灰白色、下面は淡黄緑色
地鳴きはリュッリュッ
旧亜種コメボソムシクイ(現オオムシクイ)は下面に黄色味はなくオリーブ白色
鳥630図鑑(日本鳥類保護連盟)
センダイムシクイ:
頭から背、翼の上面、尾などの上面は暗緑色、下面は灰白色
眉斑は細くて黄白色、眉斑の上には細い暗色線と下に過眼線があるのでよく目立つ
地鳴きは、ジッ or ヴィ
メボソムシクイ:
頭から背、翼の上面、尾などの上面はやや褐色ががった暗緑色、下面は緑黄色
眉斑は細めで黄色白色、翼に白線があるが目立たない
地鳴き:リュリュ
日本の野鳥550 山野の鳥(文一総合出版)
センダイムシクイ:
上面は黄色味が強い緑褐色、灰緑色の頭央線
大雨覆の先端は黄白色で、翼帯となってみえる
中雨覆の先端も黄白色をしている個体もいる
下尾筒は黄色味が強い
上嘴は暗褐色、下嘴は橙黄色、足は橙褐色
地鳴きは、ツィ ツィ or フィッフィッ
メボソムシクイ:
上面は一様な緑褐色 眉斑は黄白色で長く明瞭
大雨覆の先端は黄白色の斑がある(あまりはっきりしないのもいる)
下面は灰褐色で、脇に黄色味がある 足は橙色褐
地鳴き:リュリュ or ジッ ジッ
【 英 名 】
Eastern Crowned-Warbler(センダイムシクイ):直訳すると.....東の冠をかぶったウグイス科の鳴鳥
Arctic Warbler(メボソムシクイ):直訳すると.....北極のウグイス科の鳴鳥
【 学 名 】
Phylloscopus occipitalis(センダイムシクイ)(*):後頭部に特徴がある(occipitalis)メボソムシクイ属/葉の見張り(*)(Phylloscopus)
Phylloscopus coronatus(センダイムシクイ):coronatus?? メボソムシクイ属/葉の見張り(*)(Phylloscopus)
Phylloscopus borealis(メボソムシクイ):北方の(borealis)メボソムシクイ属/葉の見張り(*)(Phylloscopus)
Phylloscopus examinandus(オオムシクイ):/葉の見張り(*)(Phylloscopus)
参考書籍:グリーンブックス96 鳥の学名/ニュー・サイエンス社、愛媛の野鳥 観察ガイドブック はばたき/愛媛新聞社(*印)
秋のムシクイ類の識別は、難しいですねぇ.....(^o^;;
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